鈴木俊一財務相は3日、政府・日本銀行がドルを売って円を買う「為替介入」を実施したかについて問われ、「そのことについてはコメントいたしません」と語った。外国為替市場では4月29日と5月2日に円が急騰し、政府・日銀が為替介入に踏み切ったとの観測が出ている。
アジア開発銀行(ADB)の総会などに出席するために訪れているジョージアのトビリシで会見した。鈴木氏は円相場の動向について「急激な変化は好ましくない。行き過ぎた動きについては、それをならすことが必要かもしれない」と述べる一方、為替介入の有無については明言を避けた。
外国為替市場では4月29日、34年ぶりに1ドル=160円台をつけた後に大量の円買いが入り、5円超も円高に振れた。5月2日には157円台半ばから一気に153円台まで急騰した。市場関係者の間では、ともに政府・日銀が円買いドル売りの「覆面介入」をしたとの見方が強い。2日間で計8兆円規模が投じられたとの推計もある。
財務省の神田真人財務官はこれまで記者団に対し、為替介入の有無について「ノーコメント」と繰り返していた。(笠井哲也)