写真・図版
重機が雪を吹き飛ばし、着々と開通準備が進む八甲田・十和田ゴールドラインの「雪の回廊」=2025年3月12日午前10時46分、青森市、江湖良二撮影
  • 写真・図版

 青森市から十和田湖に至る「八甲田・十和田ゴールドライン」(国道103号)の除雪作業が本格化している。4月1日の一般開通に向け、春の風物詩である「雪の回廊」が姿を現し始めた。

 除雪が進むのはゴールドラインのうち、冬季閉鎖されていた酸ケ湯―谷地間の約8キロ。この冬は大雪に見舞われた青森。気象庁によると、酸ケ湯の積雪は4・29メートル(13日正午)で、前年の3・32メートル(同日正午)の1・3倍近い。

 除雪は2月22日、青森市と十和田市の両側からそれぞれ10人計20人態勢で始まった。平らな雪原状態から除雪車で道を切り開き、削った雪を路肩に吹き飛ばす。路肩に雪が積み重なり、垂直な雪の壁がつくられていた。

 除雪を担当している鹿内組の作見晃一さんは「今年は雪が多い。白くて高い壁をつくって、みなさんに喜んでもらいたい。高さ8メートルくらいになるのでは」と話していた。

 従来は冬前、路肩に設置したポールや木に取り付けた札を頼りに除雪していたが、今年から道路の位置を読み込ませた3次元地図を採用。除雪する場所を機械の力で覚知することが可能となり、効率化が進んだ。

 県によると、作業日数は3分の2程度に短縮できるという。作見さんは「仕事がしやすくなって助かる。人件費も削減できる」と手応えを感じていた。

共有