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雪どけの時期になると北海道の道路には「穴ぼこ」がよく見られる=2025年3月11日、札幌市中央区、原知恵子撮影
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 春が近づいてくると、雪国・札幌の道路ではあちこちで「穴ぼこ」が見つかる。暖冬だった今季は特に「数が多い」可能性があり、市はドライバーに注意を呼びかけている。

 市道路維持課によると、穴ぼこは積雪寒冷地ならではの現象。大まかなメカニズムはこうだ。

 ①道路には車両の通行などによって小さなヒビができる②そこに雪解け水がしみこむ③気温の冷え込みで雪解け水が凍ると、体積が増えることでヒビが広がる④寒暖差などで凍結と膨張が繰り返される⑤もろくなった箇所を多数の車両が通過することなどで、穴に発展――。

 パンクなどにつながる危険性もあり、毎年2~3月になると市民から「補修して欲しい」などの相談や要望が相次ぐ。

 特に、今季の2月の穴ぼこ関連の要望件数は324件と、昨年の1.7倍に急増した。こうした事態に、市議会の自民党会派は12日、市に「早急な対応を」と訴えた。

 考えられる要因は少雪・暖冬の影響だ。

 1月の札幌の降雪量は平年(137センチ)の6割弱にとどまる80センチと少なく、道路で舗装面が見えている期間が長かった。さらに、最高気温がプラス気温となる日も続出。こうした条件が穴ぼこ増加につながったおそれがある。

 市は、パトロールを強化し、補修にあたる作業班を例年より増やした。10区の土木センターには計4億円を上乗せして配分するなど、対応を急ぐ。それでも「同時多発的に発生したら、補修に優先順位をつけざるをえない時もある。運転する際には状況の確認や速度などに十分に気をつけて下さい」(道路維持課)。異常を見つけたら土木センターや「道路緊急ダイヤル」(#9910)に知らせて欲しいという。

 穴ぼこ発生は、道路インフラの老朽化にも関連する問題だ。

 市は、局所的な応急措置と並行して、「オーバーレイ」と呼ばれる新たな舗装の層を重ねる修繕も計画的に進めている。近年、予算額を増やしており、新年度予算案には40億円を盛り込んでいる。

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