ジョン・レノンが、先端技術や人類の進歩から、ゴルフクラブ、時間のありようについてまで語っている。そんな映像を伴う田村友一郎の「TiOS」(2024年)と題する美術作品がやけに面白い。愛知県・豊田市美術館で6日まで開催中の「未完の始まり―未来のヴンダーカンマー」展の出品作だ。もちろん、レノン本人が話しているわけではないけれど……。
展示室でまず目に入るのは、金属製のゴルフクラブが放置されたようなバンカーらしき砂場と、金属製の人骨が置かれた手術台にも寝台にも思える台だ。そして天井からは、複数のiPhoneで作られたシャンデリアかUFOのようなものがつられている。すぐには意味あいが読み取れないが、近くで映し出される映像を見ると、その機略に引き込まれることになる。
レノンの声は、生成AI(人…