
ごま油の販売でカルテルを結んだとして、公正取引委員会は10日、食用油メーカーのかどや製油(東京都品川区)と竹本油脂(愛知県蒲郡市)の独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定し、2社に排除措置命令を出す方針を固めた。かどやには計約2千万円の課徴金納付命令も出す。関係者への取材でわかった。
竹本は課徴金減免制度(リーニエンシー)を使って調査開始前に違反を申告したとみられ、課徴金は免れる見通し。公取委はすでに処分案を通知し、両社の意見を聞いた上で結論を出す。
関係者によると、2023年1月ごろから両社の営業担当者が面談や電話で情報を交換し、遅くとも23年4~9月ごろまでに、食品メーカーの大手3社向けのごま油の販売価格を協調して引き上げることで合意。実際に価格を引き上げていたという。
調味料や中華の原材料に
食品メーカーはエスビー食品(東京都中央区)、丸美屋食品工業(杉並区)、フンドーキン醬油(大分県臼杵市)の3社。ごま油は調味料や中華食品などの原材料として使用され、エスビーと丸美屋のごま油は、かどやと竹本の2社がすべて供給していたという。
公取委は24年3月、ごま油の販売価格を巡りカルテルを結んでいた疑いがあるとして、2社の他に九鬼産業(三重県四日市市)と日清オイリオグループ(東京都中央区)に立ち入り検査したが、違反の事実は認められなかったという。