
【動画】「鎮圧」が宣言された大船渡山林火災の現場=遠藤雅彦撮影
山林火災の現地災害対策本部がある岩手県大船渡市は10日午前、記者会見を開き、渕上清市長は「待ち望んでいた日が来た」と一安心した様子で語り、長期の消防活動をねぎらった。その一方で「戻った後の暮らしを守ることが大事だ。住まいの確保が急がれる」「もうひとつは産業を守ること。調査して適切な支援をしたい」と生活再建に向けた動きを加速させる考えを示した。
市によると、建物被害があった210棟のうち被害の大きかったのは、三陸町綾里(りょうり)小路地区が56棟、同港地区が42棟、赤崎町外口地区が36棟など。
焼失などで自宅に住めなくなった被災者のための仮設住宅は、10日夕、市が県に建設要請を行う。避難所は、避難者がいる限り、場所を減らしながら継続する。
水道水は、綾里全域と赤崎町合足(あったり)地域の水質検査結果が19日まで確認できないため、飲料水を仮設水槽や給水車で供給する。
避難解除された地域内の公共施設には被害がなく、綾里小学校は、校内や周辺の安全を確認できれば19日に卒業式を行う予定。
消火作業は継続される。焼失面積が大規模なことから巡回して確認する時間を要するため、鎮火の見通しはたっていないという。
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