
岩手県大船渡市の山林火災で、避難指示が出た地域に住む「特定技能」の在留資格を持ったインドネシア人らが、休業中の居酒屋で避難生活を送っている。
同市大船渡町の「北の味処(あじどころ) 鰣不知(ときしらず)」の店内。寝泊まりしているのは9人のインドネシアの若者たちだ。掘りごたつ席に布団や毛布を敷き、寝転んでゲームをしたり、音楽を聴いたりして思い思いに過ごしている。
普段は同市三陸町綾里の水産会社「マルカツ水産」で漁の仕事をし、寮で暮らしている。居酒屋も同社の経営で、2月26日に避難指示が出た後、佐々木晶生社長(32)が店を休業し、なじみのない日本で火災で非常事態に陥った従業員らと一緒に避難生活を始めた。
2023年から働いているアロフィアン・ナウファリ・リズキさん(23)は開設された避難所がどんな場所か分からず不安だったが、店で仲間と過ごせることで安心できたという。5日はようやく雨が降り、鎮火に期待を寄せる。「岩手は海がきれいでいいところ。火が消えてほしい。早く仕事がしたいです」と話した。