
「負けないエース」
沢村賞を2度獲得し、2000年代にプロ野球ファンからこう呼ばれた斉藤和巳氏(47)は、今季からソフトバンクの3軍監督に就任した。
23年シーズンから古巣で指導者を務め、昨季は4軍監督。若い選手と接するうえで心がけていることや伸びる選手の条件、期待の選手とは。現役時代の印象深い試合と合わせて聞いた。
――プロ野球ファンの記憶に残っているのが2006年10月12日のプレーオフ第2ステージ第2戦です。日本ハムに0―1でサヨナラ負けを喫し、敗退。マウンド上でひざから崩れた斉藤さんがチームメートに抱えられながらベンチに引き揚げる姿が印象的でした。
「うれしさや悔しさ、感情ごとに(自身の)ナンバーワンの試合はそれぞれある。でも、その試合を挙げてくれるファンは圧倒的に多い」
「次の年も試合で投げてはいたけど、もう肩がぼろぼろだった。結局、ポストシーズンは一度も勝てずに終わってしまった。時間が止まったまま終わってしまったので。やっぱり僕の中でも印象深いですね」
「いろんな思いを持って(あの日のマウンドに)上がった。いつもみたいな(シンプルに)チームを勝たせる投球をするだけ、という気持ちで上がる自信がなかった。04年にプレーオフ制度が始まっても勝てず、06年は王監督(現・球団会長)が病気になって。もう、本当にいろいろな思いがあった。あの試合で時計が止まっていますね、正直」
プロ野球福岡ソフトバンクホークスが誕生して今年で20周年を迎えます。球団関係者やホークスと関わりの深い著名人のインタビュー記事を随時配信していきます。
■僕みたいな投手を生み出した…