
東京電力福島第一原発で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しが始まった。事故から13年半かけて取り出したのは全体の12億分の1の一粒だ。廃炉の最難関とされるのはなぜか。三つのポイントから解説する。
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1~3号機には推計880トンの燃料デブリがあるとされる。ロボットなどを入れて内部調査を進めているものの、どこにどんな状況で分布しているのか詳しく把握できていない。化学的な特徴もわかっていないことが多い。
昨年11月、東電は2号機の格納容器側面にある貫通口から「釣りざお式装置」を入れ、1センチに満たない小石状の燃料デブリを採取した。原子炉から燃料デブリが取り出されたのは事故後初めてだ。
取り出した燃料デブリの放射…