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ジュークボックスを修理した生徒たち=2025年2月25日、岐阜県高山市の高山工業高校、荻野好弘撮影
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 かつてスナックや喫茶店、ゲームセンターなどにあったジュークボックス。岐阜県立高山工業高校(高山市)の生徒たちが今年度の授業で、動かなかった機器の修理に取り組んだ。

 このジュークボックスは1951年の米国製。40枚のEP盤レコードを収容できる。所有する観光施設「高山昭和館」に同校の山下泰司教諭(57)が修理を持ちかけた。

 レコードになじみのない電子機械工学科の3年生6人が、コインひとつで音楽を奏でる機器に興味を持ち、課題研究のテーマにすることを希望。昨年4月から、同校に移されたジュークボックスの修理に取りかかった。

 電源は入ったものの、収容したレコードから演奏する1枚を取り出す装置も、レコードを載せるターンテーブルも動かず、内部の部品は油まみれ。バラバラに解体し、清掃をしながら組み立て直したという。

 破損していた部品やレコード針はインターネットで探して米国から輸入。塗装もやり直して、今年1月に修理を終えた。

 往年の姿を取り戻したジュークボックスは、もとは米国の硬貨を投入すると動くつくりだったが、演奏曲のボタンを押すだけで曲がかかるようにしたという。

 「ターンテーブルの速度調整が難しかった」と新名剛士さん(18)。下垣津悠さん(17)は「配線が予想より複雑で、交換して再現するのに苦労した」と振り返った。

 2月25日に同学科の実習室で高山昭和館への引き渡し式があった。山下教諭が買い集めた昭和の名曲のレコードがジュークボックスに収められ、「みずいろの雨」や「22才の別れ」といった曲が響いた。

 山下教諭は「生徒たちは昔のアナログな技術のすごさを修理を通じて体感したと思う。この経験を今後に生かしてほしい」と取材に話した。

 修理されたジュークボックスは、高山昭和館の関連会社が今年4月に東京で開く予定の「レトロミュージアム」で展示されるという。

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