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2019年6月29日、大阪で開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせて会談した米国のトランプ大統領(左、当時)と中国の習近平国家主席=ロイター

 トランプ米大統領が、メキシコとカナダに新たに高関税をかけるとともに、中国に課す追加関税を引き上げた。中国は再び報復措置で応じた。トランプ氏は就任後100日以内の中国訪問に意欲的とされるが、習近平(シーチンピン)国家主席との首脳会談のメドは立っていないもよう。世界1位と2位の経済大国の間で、関税のかけ合いばかりがエスカレートしていくおそれもある。

 「10+10だ」。

 3日、ホワイトハウスでの記者会見で、トランプ氏は中国への追加関税についてそう語った。2月4日に課した10%に、さらに10%を上乗せするという意味だ。

 これを受け、中国政府もすかさず米国から輸入する小麦や大豆、牛・豚・鶏肉、果物や乳製品への10~15%の追加関税を発表。関税以外でも、米防衛関連企業など15社に対する輸出規制といった対抗措置を打ち出し、即日発動した。

 中国商務省は米国を再び世界貿易機関(WTO)に提訴したことも明らかにした。中国外務省の報道官は「米国がもし関税戦争、貿易戦争、その他の戦争に固執するなら、中国も最後までお付き合いする」と語り、徹底的に対抗する姿勢を示した。

 中国が追加関税の対象とした…

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