
JR東日本は4日、東北新幹線を走る「E2系」と「E5系」の後継となる次世代車両「E10系」の開発に着手すると発表した。地震対策としてブレーキ力を強化するとともに、一部の車両に荷物運搬用の専用ドアを設ける。2030年度の営業運転開始をめざしている。
JR東によると、最高速度は国内最速のE5系と同じ320キロだが、地震発生時に用いるブレーキの制動力を高め、緊急停止するまでの距離を15%短縮。地震の揺れを吸収する左右動ダンパも備える。外観は東北地方の山々をイメージした緑色を基調に、桜の花弁の形を模したラインを施す。
車内は「移動時間の有効活用」を掲げ、仕事や勉強用の指定席「TRAIN DESK」(トレインデスク)の設備を充実。座席配置はグリーン車と同じ2列+2列とし、プライベート感を高めるために座席間のひじかけを拡大したうえで、仕切り板を設ける。荷物運搬スペースがある5号車には幅の広い積み下ろし専用ドアを設け、旅客の乗り降りと分ける。
27年秋以降に量産先行車を完成させ、走行試験を重ねたうえで30年度の営業運転開始をめざす。北海道新幹線の札幌開業時の車両については、E10系をベースに別途検討するという。