
東日本大震災から14年が経つ。東京電力福島第一原発が立地する町の一つ、福島県大熊町の吉田淳町長がインタビューに応じ、「除染土問題」や町の復興について語った。
同町の中間貯蔵施設には、各地の宅地や農地の表土をはぎ取るなどした除染作業で発生した「除染土」が運び込まれて保管されている。国は法律で2045年までの県外搬出を定めているが、理解は進んでいない。
そんな中、隣接する同県双葉町では、伊沢史朗町長が状況に「一石」を投じようと、町内の公共事業で除染土を再生利用したいとする意向を示した。
――除染土を双葉町内で再生利用したいという伊沢史朗・同町長の発言をどう受け止めますか。
あくまで個人的な見解だと聞いているのでコメントはありません。大熊町内で再生利用は考えていません。
――除染土の県外搬出まで20年という期限は守られるでしょうか。
ぎりぎりです。環境省の動きを地元紙が1面で報じても、全国紙にはほとんど載らず、問題が全国では知られていないと感じます。政府が3月中に再生利用と最終処分の基準について新方針を出すので、少しは変わってくると期待しています。
――除染土についてはしばしば、首都圏の責任が話題になります。どう考えますか。伊沢町長も先日の発言で指摘しました。
地元が負担を負って発電し、都会で消費していた構図は間違いない。だからといって、責任があるとまでは言えないと私は思います。事故を起こしたのは東京電力であって、消費者ではない。そこの考えは伊沢町長と違うかもしれません。
むしろ、私は、歴代の環境相など、この問題に携わった政治家に語って欲しいです。政務三役だけでも震災後に数十人。民主党政権時代もあったので、党派を問いません。各選挙区などでスピーカーになれるはずです。
――復興の課題についてうかがいます。町の居住者数は1月末現在で1347人。あと2年で4千人とする町の目標は厳しいのでは。
達成が後ろにずれるかもしれ…