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千歳川での水質調査=2025年2月7日、千歳市
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 次世代半導体メーカー「ラピダス」の進出は、水を巡る課題と向き合う契機になった。北海道千歳市は27日、同社工場が4月から排水する川の水質検査結果を初めて公表し、定期的な監視態勢に入った。市は将来の人口増などに備えて、新たな水源確保を検討する事業にも着手する。

 河川敷に雪が深く積もった千歳川で、ゴムの胴長姿の担当者が川の中央まで入って、ペットボトルに採水を繰り返した。

 今月上旬、千歳市は2回目となる千歳川での水質調査を行った。発がん性が指摘される有機フッ素化合物の総称「PFAS」の代表的な3物質(PFOS、PFOA、PFHxS)を含む計38項目を調べる。

 1回目の調査は昨年12月。市は27日に調査結果を公表。異常値はなかった。PFOSとPFOAの合計値が1リットルあたり0.59ナノグラム(ナノは10億分の1)で、国の水道水の暫定目標値の50ナノグラムを大きく下回った。これは当然で、市の目的はラピダスの工場が4月に試作を開始する前に、川の状況を把握しておくことだったからだ。定期的に調査を続けることで、試作開始後の川の異変をいち早く察知することにつなげる。2回目の調査結果は2カ月後をめどに公表する。

安平川では一時PFAS検出

 千歳川では道も昨年9月に水…

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