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緊張した面持ちで試験開始を待つ受験生たち=2025年2月25日、福井県永平寺町の県立大学永平寺キャンパス、鎌内勇樹撮影
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 国公立大学の一般入試2次試験前期日程が25日始まった。福井県内の福井大と県立大、敦賀市立看護大でも受験生が初日の科目に挑んだ。26日も一部で面接試験がある。

 福井大は京都会場と名古屋会場も設け、4学部で計836人が受験。県立大は永平寺と小浜両キャンパス、東京などの5会場で5学部計764人が試験に臨み、敦賀市立看護大看護学部は66人が受験した。合格発表は3月3~7日。後期日程の試験は3月12日。

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 福井県立大学に4月、全国で初めて設置される恐竜学部(定員30人)は、一般入試の前期・後期日程ともに「超難関」となった。25日に試験が実施された前期日程(募集人員15人)の志願倍率は7・3倍、3月の後期日程(同3人)は27・3倍に達し、9割以上が県外生という。後期日程は大学入学共通テストの成績による第1段階選抜で30人に絞られた。

 恐竜学部は、勝山市の県立恐竜博物館の隣に建設中で、今年12月に完成する予定。今春入学の1年生は1年次を永平寺キャンパス、2年次から勝山キャンパスで学ぶ。

 人気の理由は、フィールド学習の現場となる化石発掘現場が間近にあることだ。化石標本は、連携する恐竜博分を含めて国内屈指の保有数を誇り、最前線の恐竜学者や古生物学者、恐竜博の研究員・学芸員の最新研究に触れながら学べる。

 カリキュラムでは、1年次から化石発掘現場などでのフィールド学習があり、3年次には海外の発掘現場でも実習が予定されている。カナダのアルバータ大や米国モンタナ州立大などで活躍する世界的な古生物学者も客員教授に迎える。

 大型のCT(コンピューター断層撮影)装置などを駆使して化石や地質、古代からの気候変動を解析するなど、ITや測量、自然科学全般を広く学べるのも魅力だ。1期生が4年生になるまでには大学院修士課程、博士課程も整備される。

 恐竜学部長に就任予定の県立大学恐竜学研究所の西弘嗣所長は「古生物学や地質学を主体に土木・地学、情報分野でも国内有数の手厚い教育を実践する。デジタル分野にも精通した人材を輩出したい」と意気込む。

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