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石川県の馳浩知事が24日、県内で開かれた大相撲の大関・大の里(24)の後援会でのあいさつで、大関に対し、「若いうちに早く、嫁取りも頑張って」「やはり家族を持ち、自覚をし、人生をしっかり歩んでいく」などと発言した。結婚の考えが多様化する中で、独身者の否定につながりかねず、専門家は「50年前の感覚。知事自ら『古い風土が残っている県だ』と言っているようなものだ」と指摘する。
後援会の会合は、大の里の出身地の津幡町であった。知事は祝辞として大関とその支援者約500人を前に登壇した。
元国語教師であることから俳句を詠むことが得意な知事は「春の雪 足元固め 大の里」と詠んだ。その意味として、「横綱を目指してほしい」と語り、続けて、「もう一つは、今、若いうちに早く、嫁取りも頑張って欲しいなあ……」と述べ、「やはり家族を持ち、自覚をし、人生をしっかりと歩んでいく足元を固めるという意味で、嫁取りも頑張って欲しいなあ」と話した。
朝日新聞は25日、県議会後の知事の会見で、セクハラや価値観の押しつけに当たるのではないかと質問。馳知事は発言の真意は語らず、「そう取られるとしたら、そういった発言については反省をしたいと思う」と回答した。
今回の発言について、家族社会学を研究する中央大学の山田昌弘教授は「9割超の人が結婚した時代ではなく、一人一人のライフコースが多様化するなかで失礼な発言だ」と指摘する。「人生選択について、相手が大の里であろうが誰であろうが、あまり決めつけた発言をするのはまずい」と話す。
また、500人を前に知事と…