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中央大の中北浩爾教授

 立憲民主党は「有権者に響く政策」を打ち出せずにいる。政権奪取への「仕掛け」が足りず、議員たちは「政治家であり続けること」が目的化していないか。中央大・中北浩爾教授(現代日本政治論)はこう指摘する。さらには自民党と立憲による「大連立政権」にも言及した。

 ――野党第1党である立憲の存在感が薄い。どうしてか。

 いまの「埋没」の状況を変えるようというエネルギーが乏しい。政治を動かすためにできることはあるのに、国民民主党と比べてもジタバタもがく姿勢がみられない。野田佳彦代表は時を待つばかりではなく、もっと仕掛けた方がいい。

 いまの立憲は、日本の古い会社によくある「大企業病」にかかっていないか。セクションごとにバラバラに動き、政権交代という大きな目標に向かって組織全体が有機的に動くことができていないと感じる。先の衆院選での議席増に安住せず、チャレンジャーとしての気概と戦う姿勢を党内で共有してほしい。

 ――党全体で同じ目標に向かっていけない要因は。

 政権交代に向けて、有権者に響く分かりやすい政策がない。街頭演説をする時に、若手・中堅議員は困っている。これは党執行部の責任だ。党内に立ち上がった消費減税の勉強会が魅力的に映り、多くの議員が集まるのも無理はない。

 たとえば旧民主党政権には「子ども手当」のような目玉商品があった。党のビジョンを象徴する具体的な政策が最低一つは必要だ。三つぐらいあるといい。

「プロレスに例えるなら、バックドロップの前のジャンピング・ニー」

 ――野田代表は目玉政策のアピールではなく、質の高い政策を幅広くそろえた「総合デパート」として評価してもらうとしている。

 良い商品をたくさんそろえて…

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