写真・図版
海老名市役所=2025年2月21日、神奈川県海老名市勝瀬、中島秀憲撮影

 神奈川県海老名市は、市内に住む市職員の住居手当を4月以降、月3万円から3万8千円へ大幅に引き上げる。市職員でも市内居住者が約半数に減り、税収に影響が出ていることなどが理由だといい、県内の市では最高額になるという。市外居住者の手当は2万8千円で据え置く。

 市によると、市職員の市内居住率は年々低下していて、直近は52%。主な要因は家賃の高さと、市外から通勤の便が良いことだと分析している。

 小田急線、相鉄線、JRの3路線が乗り入れる海老名駅の周辺では、マンションの建設ラッシュが進み、東京方面へ通勤する人にも人気が高い。移住者が増え、家賃や住宅購入費は上昇傾向にある。

 市の調べでは、若手職員が居住する40平方メートル程度の部屋の家賃相場は、隣接の自治体に比べて7千円ほど高いという。皮肉なことに交通の便が良いことも、市外居住を後押ししている。

 このため2年ほど前から手当の増額を検討してきた。今回の改定で、手当にかかる費用は全体で年約800万円増えると見込む。内野優市長は「災害時の対応なども考え、市内に住む職員を増やしていきたい」と話している。

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