双子や三つ子などの親たちが、多胎妊娠・育児に特化したスマートフォン用のアプリを開発中だ。交流会やSNSで知り合った100人以上が開発に参加。どこでもつながり、励まし合える場所をつくりたい――。そんな思いが実を結ぼうとしている。

写真・図版
福岡市内で開かれた多胎家庭の交流会(画像を一部加工しています)=2022年5月、福岡市、牛島智絵さん提供

 発起人は、育児支援団体代表の牛島智絵さん(40)=福岡市中央区。双子男児(3)の母親だ。

 4年前、近所の産婦人科医院で妊娠が分かった。喜びもつかの間、「ここでは双子は産めません。大きな病院に転院を」と告げられた。

 複数の病院に問い合わせたが、受け入れ条件があったり、帝王切開のみだったり。転院先では、片方の胎児が途中で亡くなる可能性や早産といった多胎特有のリスクに関する説明を受け、「安定期はない」とも言われた。不安だった。

 国内の多胎児出産数は、全体の約1%とされる。牛島さんの周りには多胎育児の経験者がいなかった。SNSで当事者を探し、手当たり次第に連絡を取った。

 その一人が、東京都調布市の…

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