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東京都八王子市で2021年4月、アパートの外階段が崩れて住民女性が転落死した事故で、警視庁は14日にも、アパートを施工した「則武地所」(相模原市、破産)元会長の男性(77)を業務上過失致死容疑で書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。同庁は、同社が必要な点検などの対応を怠ったことが死亡事故につながったとみている。
事故は21年4月17日に発生。同社が施工した築8年の3階建てアパートで、1階と2階をつなぐ外階段が崩落。住民の大手里美さん(当時58)が約2メートル下に落下し、亡くなった。階段の大部分は鉄製だったが、踊り場が木製で腐食していた。
前年にも同様の事故、点検対応怠る
捜査関係者によると、同社が施工した物件では前年にも、相模原市内の共同住宅で腐敗した階段が崩落し、住民男性がけがをする事故などが起きていた。同庁は、同社が相模原市の事故後、ほかのアパートでも同様の危険性があると認識しながら、必要な点検などの対応を怠ったことが事故につながったと判断した。
事故を受けて国土交通省が調査したところ、同社が手がけた都内と神奈川県内の共同住宅241件のうち6件で、階段に劣化が確認された。
「防腐措置しなかった」 浮かんだずさんな実態
「必要な防腐措置をしなかった。同様の物件がほかにもある」
捜査関係者によると、元会長の男性は警視庁の任意の調べに、こう説明したという。
防腐措置されていない木造部分の踊り場が雨水などで劣化し、崩落した――。捜査で明らかになったのは、本来必要な工程が省かれたずさんな実態だった。
なぜ完成までいくつもある検査がすりぬけられていたのか。
■あいまいだった防腐措置のル…