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ノルウェーの国会議員からインタビューを受けた林勝美さん(右)=現地時間2024年12月9日、オスロ市内、日本原水協/ピースボート提供
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 広島、長崎で被爆した人の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会」(日本被団協)へのノーベル平和賞授賞に合わせ、式典が開かれたノルウェー・オスロには兵庫県内からも被爆者が訪れた。その経験を聞きたいという依頼を受け、被爆80年の今年、関心の高まりに貢献したいと思いを新たにしている。

 「戦争を継続して得られるものよりも、戦争を止める決断の方が、歴史的な名誉や世界中の人々の称賛を受けることは確実です」

 兵庫県加古川市の林勝美さん(82)は昨年12月、ノルウェーの国会議員にそう伝えた。オスロ市民らが集まった公園でのイベントでも訴えた。

 「原爆で亡くなった人の死を無駄にしたくない」「生存者として話す義務がある」。そんな思いで、現地で出会った人たちに積極的に自分の被爆体験を話した。

 3歳のとき、爆心から約1・3キロの広島市西区で被爆した。

 家族で身を寄せていた父方の…

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