中国などでは1月下旬から2月上旬にかけ大型連休の「春節」があり、多くの訪日観光客も訪れた。旅行予約サイトの運営会社によると、今年は東北地方を目的地に選ぶ旅行客が多く、「人気急上昇体験先ランキング」の1位が山形となるなど上位5位のうち四つを東北が占めた。冬にしか楽しめない特別な景色や体験に注目が集まっているという。

 春節の休暇がある台湾、香港、韓国、中国、シンガポール、マレーシアなど9の国・地域を対象に、オプショナルツアー予約サイトを運営する「KKDAY JAPAN」が1月25日~2月4日の旅行客の予約データをもとに調べた。その結果、今年の予約数の伸び率に注目した「人気急上昇体験先ランキング」の1位は山形で、前年比1・94倍。2位の宮城は1・84倍だった。3位・岐阜、4位・福島、5位・青森と続き、東北勢の伸長が目立つ。

 山形と宮城ではバスツアーを利用してセットで訪れる傾向にあるという。山形の蔵王の樹氷や銀山温泉(尾花沢市)、宮城の蔵王キツネ村(白石市)を周遊するバスツアーが人気で、予約数は前年の2・18倍に達した。担当者は「日本らしい景色と雪を合わせた画像が海外のSNSで浸透している」と話す。

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海外観光客に人気の銀山温泉=2024年12月13日、山形県尾花沢市、高橋昌宏撮影

 銀山温泉は雪が降るノスタルジックな景色、キツネ村は雪とともに写るキツネの愛らしい姿が人気。ツアーでは福島の大内宿、青森の奥入瀬渓流や八甲田山なども好調という。

 背景には、仙台空港に台湾、韓国との直行便に加えて香港便が就航するなど、アジア各国・地域からのアクセスがよくなっていることが挙げられるという。

 総合的な「人気体験先ランキング」では1位が東京で、2位は大阪、3位は京都だった。東北では宮城が9位に入った。

台湾から山形4泊5日の旅、どこに行った?

 春節の訪日客は、どんな旅を過ごしたのか。家族5人で山形を訪れた台湾人の陳羿親さん(35)に山形の印象を聞いた。

 陳さんは日本の企業に勤め…

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