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総務省が7日に発表した2024年の家計調査で、山形市は1世帯当たりのラーメン(中華そば)の外食費が2万2389円となり、3年連続で都道府県庁所在地・政令指定都市の中で1位となった。
さらに「日本そば・うどん」の外食費も山形市が1万2795円で2位。9125円で5位だった昨年から上昇した。県が昨年、商標登録を済ませた「ラーメン県そば王国」に名実とも近づいた。
市役所の会議室では、午前8時過ぎから地元のラーメン店主たちが集まり、市の担当者が「3連覇となりました」と報告すると、歓声がわき起こった。
2人以上の世帯あたりの年間外食費について順位を算出した。ラーメン外食費は前年から5千円近く増え、記録が残る2000年以降で最高額となった。2位の新潟市は1万6292円で、差は6097円(24年は2369円)と大差をつけた。
山形市は21年の支出額で新潟市に1位を譲り、2位に転落した。これをきっかけに、店主らが「『ラーメンの聖地、山形市』を創る協議会」を立ち上げ、翌22年分で奪還した。この間、市も協力し、「山ラー」の愛称を商標登録したり、好みの種類の店を探せるホームページを開設したりしてきた。協議会会長の「麺辰」店主、鈴木敏彦さんは「ラーメン店、業者、市が一体になってやってきた結果ではないか。市内外、国外に向けて、『山ラー』を発信したい」と意気込んだ。
一方、そば・うどんでも2位に躍り出たことについて、佐藤孝弘市長は「1位の高松市は大半がうどんなのではないか。そういう意味ではそばの消費額も1位で2冠のように感じている」と語った。
この日、山形市桜田東にある「らーめん め組」では雪が舞う中、午前11時の開店前から大勢の客が並んだ。仙台市から家族で訪れた公務員、佐藤久則さん(45)は人気の「みそわんたんめん」を味わった。「山形に来るたびに色々な店のラーメンを食べている。1位をとり続けているのはすごいと思う」と述べた。協議会副会長を務める店主の寒河江洸(こう)さんは官民挙げた取り組みの結果、「海外、県外からの観光客がとても多くなったと感じている」と話した。