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頭部が発見されたマンション=2025年2月5日午前、大阪市中央区、岡田真実撮影
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 大阪府東大阪市の山中で先月、切断された男性の遺体が見つかった事件で、大阪府警は5日、男性の身元は国土交通省職員の神岡孝充さん(52)=大阪市中央区=と判明したと発表した。死体遺棄容疑で逮捕した無職の大木滉斗(ひろと)容疑者(28)と同じマンションに住んでいたといい、府警は2人の関係性について調べている。

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 司法解剖の結果、神岡さんの死因は窒息死とみられ、府警は殺人容疑も視野に捜査している。

 捜査1課によると、遺体は先月25日、東大阪市山手町の山中で切断された状態で見つかった。今月3日には大木容疑者の説明に基づき、大阪市中央区の空き家になったマンション敷地内で頭部を発見。保冷バッグのような袋も見つかった。頭部は死亡後に切断されたとみられるという。

 国交省によると、神岡さんは2022年から「航空保安大学校」(大阪府泉佐野市)の会計課長を務めていた。

出国のための荷物、自宅にそのまま

 府警によると、神岡さんは一人暮らしで、昨年12月27日の在宅勤務後、海外にいる妻に会うため渡航予定だった。同29日に妻から「夫と連絡が取れない」と府警に連絡があったという。府警は、神岡さんの遺体は同28日ごろに遺棄されたとみている。

 今年1月1日に親族から捜索願が出され、府警が神岡さんの自宅を調べると、神岡さんは不在で、出国のための荷物が見つかったという。争った形跡はなかった。

 捜査員がマンションで聞き込み捜査をしていると、同20日に同じマンションに住む大木容疑者と連絡が取れない、と大木容疑者の家族から申告があった。府警が2人の行方を追う中、防犯カメラの映像などから、大木容疑者が電車で東大阪市に向かっていたことが判明し、同25日に山中の空き家などで神岡さんの遺体を発見した。

 大木容疑者は2月2日、和歌山県白浜町の三段壁周辺で身柄を確保され、3日に逮捕された。

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