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能登半島地震で倒壊した家屋=2024年4月、石川県珠洲市、林敏行撮影

 原子力規制委員会の検討チームは5日、原発事故時に屋内退避の目安を3日間とする報告書案をまとめた。これらの内容をもとに、国の原子力災害対策指針の見直しを提案している。

 現在の指針では、原発事故時に5キロ圏内の住民はすぐに30キロ圏外に避難する。5~30キロ圏内の住民は自宅や避難所などで屋内退避をし、放射線量が基準を超えた場合は30キロ圏外に避難すると定めている。各自治体は指針をもとに、避難計画を作っているが、屋内退避の継続期間や解除のタイミングが示されていなかった。原発の周辺自治体から明確化するよう求められており、昨年の能登半島地震では、北陸電力志賀原発(石川県志賀町)周辺で、道路の寸断や家屋の倒壊が発生。複合災害時の対応も課題とされた。

 検討チームは規制委や内閣府原子力防災担当、放射線や原子力の専門家、医師などで構成。報告書案では、政府の防災基本計画で、災害全般への備えとして水や食料の備蓄量を最低3日間分としているのを参考に、屋内退避の目安を3日間とした。それ以降は、屋内退避の継続が可能かを随時判断していく必要があるとした。

 屋内退避中は屋内にとどまることを原則とし、物資の調達や緊急を要する医療機関への受診、屋根の雪下ろしや出入り口の除雪など、一時的な外出はできると示した。

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原発周辺5~30キロ圏内の事故時の対応

 検討チームは、原発から30キロ圏内の自治体からの意見をふまえ、詳しく解説したQ&A案も示した。規制委のホームページ(https://www.da.nra.go.jp/detail/NRA100007905)から見られる。

 報告書は3月にも正式にまとめられる。

屋内退避についてのQ&Aの主な内容

Q 屋内退避は誰がどんな目的…

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