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安住淳・衆院予算委員長(右奥)らが予算委員会の進行などを決める理事会=2025年2月5日午前8時40分、国会内、国吉美香撮影

 5日午前の衆院予算委員会で、防衛省の「制服組」(自衛官)の答弁を求めるかどうかをめぐり、安住淳予算委員長(立憲民主党)が質問者の議員の発言を注意する場面があった。

 注意を受けたのは自衛官出身で、国民民主党の橋本幹彦氏。橋本氏は、委員会に先立ち、政府参考人として陸上自衛隊の教育訓練研究本部長、海自の幹部学校長ら自衛隊幹部の出席を要望していた。

 しかし、予算委の進行などを事前に決める理事会では「戦後一度も例がない」として答弁を認めなかった。

 橋本氏は委員会の質疑で、「(出席を)阻む根拠、法的制約はない」と安住委員長らの決定を批判した。これに対し、安住氏は、政治が軍事に優先するシビリアンコントロール(文民統制)に言及し、「制服組の答弁は、慣例だけでなく、先の大戦を踏まえた文民統制の観点から国会でやってきた。偏った考えでの判断ではない」と反論した。

 それでも橋本氏は納得せず、「国防の議論を深化させるために必要だ」と質疑を続けたため、安住氏は審議を一時中断させた。

 数分後に再開し、安住氏は今回の判断は国民民主の理事も含めて合意した内容であると強調したうえで、「シビリアンコントロールの重みをわきまえて国会はやってきた。行き過ぎた誹謗中傷は我々として看過できない。戦後長いルールの中で重く積み上げてきたもので、防衛省の組織として責任を持って答弁をしていることを否定するようなことは許されない」と注意した。

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