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「銭湯盛り上げ隊」の4人=2025年1月22日、高知県四万十市中村大橋通6丁目、笠原雅俊撮影
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 高知県四万十市でただ一軒の銭湯「中村温泉」を応援しようと、小学生4人が「銭湯盛り上げ隊」を結成した。週1回、放課後に「いい湯だな!」と湯船につかり、体と心をほぐすことが活動の柱だ。

 隊員は、中村小学校4年で同級生の川村晴琉さん、西尾康佑さん、道倉汰真さん、安光咲弥さんの4人。

 きっかけは安光さんが祖父と一緒に中村温泉に入った体験を「とても気持ち良かったよ」と話し、4人で一緒に出かけたことだった。湯のぬくもりとレトロな雰囲気に魅せられた。

 でも、お客が少ないと知った。そこで昨年10月、勝手に「銭湯盛り上げ大作戦」を始めた。毎週水曜日の放課後、一條神社に集合し、お風呂セットを入れたリュックを背に自転車で銭湯へ向かう。

 番台で入浴料150円を払って体を洗い、湯船の中へ。あまりの気持ちの良さに「いい湯だな! アハハン」と口ずさむ。湯上がりに130円の牛乳を全員で飲むのが楽しいという。

 西尾さんは「銭湯に入るとスッキリしてめちゃ気持ちいい。風呂上がりに飲む牛乳は最高」と話す。お母さんたちから「『銭湯! 渋いわね』と言われる」という。

 川村さんは「メンバーを増やして街の銭湯を盛り上げていきたいです」。母の圭さんは「銭湯を通して故郷の街を知るきっかけになっているようです。みんな真剣ですよ」と見守っている。

 中村温泉は創業約50年。番台に座るおかみの上村佳子さんは「お小遣いを使って小学生に銭湯を利用してもらって本当にうれしい。子どもたちの声が響くだけで銭湯が元気になります」と話している。

 入浴料は大人450円、小学生150円。毎月5、15、25日が休み。

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