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田中明彦・国際協力機構(JICA)理事長=2024年12月12日、東京都千代田区のJICA本部、吉岡桂子撮影

 米国との対立を背景に、中国はグローバルサウスと呼ばれる新興・途上国との関係を強めている。武器の一つは経済力を生かした援助だ。米トランプ政権が発足しパワーバランスはどう変わるのか。日本のODA(政府の途上国援助)を担う国際協力機構(JICA)の田中明彦理事長に、中国の援助の動向などを聞いた。

 2024年10月下旬、JICA理事長として約10年ぶりに訪中した。対外援助の司令塔である国家国際発展協力署(CIDCA)の羅照輝署長とも意見交換した。

 中国は貿易や投資を管轄する商務省が援助も担当する体制を18年に見直し、同署を立ち上げた。それ以降で、日中の援助機関トップの会談は初めてだったという。

 「日本にとって中国が最大の…

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