土曜日の2月1日、首相公邸の会議室。石破茂首相は、林芳正官房長官ら政権幹部を前にこうつぶやいた。「(トランプ米大統領には)難しい話をすればするほどマイナスになることがよくわかった」
午前10時ごろから始まったのは、7日に米ワシントンで開催される初の日米首脳会談に向けた会議。政府関係者らは「トランプ対策会議」と呼ぶ。首相ら政権幹部は翌2日の日曜日も休日返上で、外務・防衛・経済産業官僚ら数十人を入れ代わり立ち代わり呼び寄せ、日本政府として打ち出すべき方策の検討を進めた。
- 首相、トランプ氏と「相性合うかも」 貢献強調で対日圧力避ける戦略
首相らにとって最大の懸案は、トランプ氏が首脳会談でどのような対日圧力をかけてくるかだ。同氏は競争国と位置付ける中国のみならず、米国の同盟国であるカナダにも高関税を発動。トランプ氏の矛先が日本にも向かない保証はない。
3回目の調整、失敗許されない交渉
複数の出席者によると、日米…