京都・祇園祭の山鉾(やまほこ)や桜吹雪が描かれた生地でつくったドレスが目を引く。神戸市の藤本ハルミさん(97)は、着物や帯の生地で洋服をデザインしてきた。4月に開幕する大阪・関西万博では人材大手パソナグループのパビリオンで、VIP接客担当者の衣装デザインを担当する。活躍し続ける藤本さんに、デザイナーを目指した「原点」や日本の着物と洋服が融合したドレスをつくる理由を聞いた。
――洋服に興味を持ち始めたのは、いつごろからですか。
小さい頃から、絵を描くことが好きだったの。自分が考えた着せ替え服を描いて、女の子の絵に着せる遊びをよくやっていました。父も祖父も船乗りで、家には頻繁に洋服屋さんが出入りしていました。自分の洋服をつくってもらったりもしましたけど、母から「洋裁を習いなさい。自分で服をつくってみなさい」と言われたの。それがスタート。
――終戦後は衣服を手に入れ…