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ブルペンで投球するソフトバンクの上沢直之=宮崎市内

 「誰が抜け出すか」。ソフトバンクの小久保裕紀監督はキャンプ初日に言った。甲斐拓也がフリーエージェント(FA)権を行使して巨人に移ったことによる正捕手争いだけではない。開幕ローテーション争いも激しい。

 2日、このキャンプで初めて本格的にブルペン入りしたのは上沢直之。大リーグ挑戦を経て2季ぶりに日本球界に復帰した右腕は、多彩な変化球を交えて57球を投じ、「完璧とは言えないが、いい段階にはきている」と手応えを口にした。

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 上沢の移籍をめぐっては賛否あった。古巣の日本ハムが復帰を願ったにもかかわらず、ソフトバンクを選んだことで、一部のファンから批判を浴び、日本ハムの新庄剛志監督も「悲しい」と言及した。

 厳しい視線や声をはね返すには結果が求められる。この日も「いろいろな声があるが、自分でなんとかするしかない」と覚悟が垣間見えた。

 開幕ローテは有原航平、モイネロ、スチュワートが当確で、残り3~4枠。DeNAから移籍の浜口遥大、上茶谷大河に、甲斐の人的補償で巨人から移ってきた伊藤優輔も「まずは先発で」と小久保監督。昨季8勝の大関友久、実績十分の東浜巨に加え、前田悠伍ら若手もその座を虎視眈々(こしたんたん)と狙っている。

 「本当に競争に勝っていかないといけない立場なので」と上沢。高いレベルでの競い合いが、リーグ連覇、日本一への原動力となる。=宮崎

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