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来日した教え子のミャンマー人の女性(右)と話す落合清司さん(中央)と妻のマヘーマーさん=2025年1月30日、東京都内、加藤あず佐撮影
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 ミャンマーで国軍が全権を握ったクーデターから2月1日で4年となる中、来日して就労を目指すミャンマー人が増えている。日本語を学びたいミャンマー人のために、元高校教員の落合清司さん(62)はほぼ毎日、無償で日本語のオンライン授業をしてきた。取材すると、生徒たちが抱える徴兵への恐怖や現状へのあきらめなど、日本を目指す複雑な思いが見えた。

 「今日学ぶのは『~を余儀なくされる』という表現です。どんなときに使うでしょうか」。1月下旬のある平日の朝、オンライン上に集まった7人のミャンマー人に、落合さんが問いかけた。生徒たちが次々に例文を読み上げると、落合さんは意味をたずね、易しい日本語で解説した。

 落合さんは、1990年代にミャンマーを訪れたのを機に、ビルマ語を学んで毎年渡航するようになった。その後、日本とミャンマーの文化交流を行うNPO法人を設立。クーデター以降は、日本語授業の需要が急激に伸び、現在は約75~90分のクラスをオンラインで週10コマほど開いている。生徒は主に、来日を見据えてミャンマーで学ぶ20代の若者だ。

 出入国在留管理庁によると、2021年2月のクーデター以降、来日するミャンマー人は急増した。24年6月時点の在日ミャンマー人は11万306人でクーデター前の20年末の3倍以上にのぼる。23年末よりも27.5%増えており、日本に在留する外国人の中で最も増加率が高かった。多くが技能実習生や特定技能の労働者として来日し、留学生も増えている。

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