杉本昌隆八段の棋道愛楽
初の「女性棋士」誕生なるか――。先週は多くのメディアでそんな報道がありました。西山朋佳女流三冠が棋士編入試験に挑戦し、若手棋士(試験官)との五番勝負で2勝2敗に。第5局の柵木幹太四段戦に試験の合否がかかったのです。
言葉は似ていますが、女流棋士と女性棋士は別。将棋界で公式戦を戦っている女性は女流棋士です。一方、女性棋士は私たち棋士と同じく三段リーグを勝ち抜くか、棋士編入試験に合格した人になります。
過去に何人もの女性が棋士の道を志しましたが、まだ達成者はいません。それだけ棋士になるのは厳しいのです。今回、西山女流三冠が勝てばついにその壁が破られる。いやがおうでも盛り上がる一局でした。
対戦相手の柵木四段は増田裕司七段門下で、愛知県西尾市出身の26歳。私は、柵木四段が小学生のころから知っています。
あれは愛知県内企業の将棋イ…