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2025年1月25日、米ラスベガスでの演説会場に到着したトランプ大統領=AP

 トランプ米大統領は25日、米ラスベガスで開かれた集会で演説し、就任初日に表明していた世界保健機関(WHO)からの脱退について、拠出額を大幅に引き下げられるのであれば、再加盟を検討する可能性を示唆した。

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 トランプ氏は演説で「我々は1年に5億ドル(約780億円)を支払っているが、中国は人口がもっと多いにもかかわらず3900万ドル(約60億円)だ」とWHOへの拠出額に対する不公平感を指摘。そのうえで、もし米国の拠出額が中国と同程度まで引き下げられるのであれば、「加盟することを再び考えるかもしれない」と述べ、今後の再加盟に含みを持たせた。

 トランプ氏は大統領に返り咲いた今月20日、WHOからの脱退を通告する大統領令に署名した。脱退する場合は米国議会への通告から1年の猶予期間を置くため、実際に脱退するのは来年1月の予定となっている。米国はWHOにとって最大の拠出国で、脱退によって資金不足に陥ることが懸念されている。

 WHOのホームページによると、直近の2年間で米国からの拠出金は約9.5億ドル、中国は約2億ドルとなっている。米国は人口などに応じて割り当てられた分担金に加えて、任意拠出金も多く出している。

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