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変わるか国会 少数与党のいま

 「賛成の諸君の起立を求めます」。昨年12月17日、衆院本会議場に額賀福志郎議長の声が響いた。賛成議員が一斉に立ち上がり、臨時国会の焦点だった政治改革関連法は賛成多数で可決した。

 議長が可決を告げるまで、わずか3秒。記者は、議場が見渡せる記者席から見ていたが、誰が賛成し、誰が反対したかは特定できなかった。起立採決は、個人の賛否が議会の記録に残らない。

 個人の賛否が問われないのは、基本的に政党に所属する議員は党の方針に従って投票するからだ。これは「党議拘束」と呼ばれる。方針に従わない場合、「造反」として党から処分を受けることもある。2005年の郵政民営化法で小泉純一郎首相(自民党総裁=当時)は、反対票を投じた自民議員を衆院選で公認せず、「刺客」を送り込んだ。

 過去には法案の党議拘束を外…

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