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福島県双葉町内に設置された町議選立候補者のポスター掲示板=2025年1月16日、双葉町、大久保泰撮影

 福島県双葉町の町議選(定数8)は26日、投開票される。東京電力福島第一原発事故後に出た避難指示が解除され町に住民が戻って初めての町議選だが、名前を連呼する選挙カーが行き交う光景は町内で見られない。個人演説会も少なく、静かな選挙戦となっている。「候補者がそろって演説する場を設けるべきだった」。新しい住民が増え、そんな声も出ている。

 候補者の名前を車の上に載せた選挙カーが選挙区内を駆け回る。そんな場面が見られないのは、9人の陣営のほとんどが選挙カーを使っていないからだ。

 有権者は約4700人いるものの、原発事故後の避難で多くの住民は町外に住んでおり、町内で暮らすのは約150人。「どこを回ればいいのか」「時間も含めて費用対効果が悪い」「他のまちで選挙カーを走らせたら迷惑をかけるだけ」。選挙カーを持たない陣営はそう話す。

 多くの候補者は、普通の車に…

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