My吹部seasons
各地でアンサンブルコンテスト(3~8人の少人数で演奏する大会)が開催されている。今年、並々ならぬ気持ちで参加しているのが、北陸高校吹奏楽部(福井市)だ。
3月の全日本アンサンブルコンテスト(全国大会)の会場は、北陸高が定期演奏会などで使っている地元・福井市のハーモニーホールふくい。実は、2020年もこのホールで全国大会が予定されていた。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の中で、コンテストは中止になった。そのとき、北陸高は打楽器八重奏チームが出場予定だったのだ。
幻となってしまった地元での全国大会出場。顧問の明石憲和教諭はこう振り返る。
「メンバーは全国大会に向けてすごい練習量をこなしていたので、夢の全国大会で演奏させてあげたかった。中止が発表されたとき、全国一斉の臨時休校で生徒たちに直接会うこともできず、メールで中止を伝えました。後で聞いたところ、メンバーそれぞれが自宅で泣いていたそうです」
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悲運から5年。今年も同じ会場で全国大会が開催される。北陸高からは木管八重奏チームと打楽器八重奏チームが地区大会を突破。県大会を控えている。
木管八重奏チームが選んだ曲は、田村修平作曲《トゥマルチュアス・エモーションズ》。リーダーでオーボエ担当の村瀬裕俐(ゆうり)(2年)は言う。
「私たちの目には全国大会出場しか見えていません。8人のメンバーはみんな緊張しがちなので、本番に強いメンタルをつくっていきたいです」
一方、特別な思いを持ってアンサンブルコンテストに臨んでいるのが打楽器八重奏チームだ。
【連載】My吹部Seasons
吹奏楽作家のオザワ部長が各地の吹奏楽部を訪ねます。
先輩たちが演奏するはずだった曲で
今回取り組んでいるデイヴィ…