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金子さんといっしょに模擬授業をした四方田咲花(よもださきは)さん(前列中央)。最終日に児童たちが「お別れ会」を開いてくれ、記念撮影をした。黒板には児童からのメッセージが書かれていた=2024年9月28日午後0時3分、さいたま市大宮区、小林裕幸撮影

 首都圏の朝鮮学校で、日本の大学生が模擬授業をする取り組みが進められている。教育に関心を持つ学生にさまざまな教育現場を知ってほしいと、大東文化大学(東京都板橋区)が2022年に始めた。3年目の24年9月下旬も、2人の学生が在日コリアンの児童や教職員と5日間を過ごした。授業の体験を通じて学生たちは、何を感じたのだろうか。

 さいたま市大宮区の埼玉朝鮮初級学校(小学校、全校児童79人)。文学部教育学科3年の金子晴南(はるな)さん(21)は、受け持った授業で6年生の児童7人に呼びかけた。「朝鮮学校の児童として、新聞に投書をしてみましょう」

 投書の題材探しから始めた。どんな内容にするのか、どんなエピソードを盛り込むのか――。児童一人ひとりとじっくり話をした。

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朝鮮初級学校の児童と授業中に話す金子晴南(はるな)さん=2024年9月28日午前9時52分、さいたま市大宮区、小林裕幸撮影

ハッとさせられた実体験

 そんな中、1年間だけ日本の…

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