一部の住民が存続を求めるなか、昨秋に閉館した神奈川県真鶴町の民俗資料館(旧土屋邸)を、これからどうするべきか。同町から活用方法の検討を任された企業が住民と対話の場を設け、方向性を探っている。築130年を超す近代和風建築として文化財的価値があるとされるが、建物は老朽化が進む。
昨年11月末の土曜日。旧土屋邸に約40人の町民らが集まった。同県鎌倉市の不動産会社「エンジョイワークス」と町が初めて開いた「旧土屋邸の未来を考える」イベントだ。
「町には人もお金もない。この建物をどうしたらいいか、みんなで考えてください」
町の担当者はあいさつで、そ…