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モスクワで2025年1月17日、会談に臨むロシアのプーチン大統領(左)とイランのペゼシュキアン大統領=ロシア大統領府提供

 ロシアのプーチン大統領とイランのペゼシュキアン大統領が17日、モスクワで会談し、包括的戦略パートナーシップ条約に調印した。それぞれウクライナ侵攻とイスラエルとの対立という難題を抱える中、両国とも対立する米国で20日にトランプ次期大統領が就任する前に、緊密な関係をアピールする狙いもありそうだ。

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 会談冒頭、プーチン氏は「条約はほぼ全ての協力に弾みをつける」と期待。ペゼシュキアン氏も「(関係発展の)強固な基盤になる」と応じた。

 両氏は原子力分野や国際情勢を議論したとみられるが、焦点となるのが軍事協力だ。ロシアは、ウクライナの戦争終結を掲げるトランプ氏の意向を歓迎。一方的に併合を宣言したウクライナ東部4州からのウクライナ軍撤退や、同国の北大西洋条約機構(NATO)加盟方針の放棄など、自国に有利な条件で和平協議に持ち込みたい考えだ。

 ロシア軍はウクライナ東部で優勢にあるものの、侵攻の長期化で兵器の補充に問題を抱えているという指摘もある。戦況が苦しくなればトランプ氏に主導権を握られる可能性がある。

 兵器調達が最重要課題となっ…

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