ついに1ドル=160円台まで円安ドル高が進み、大きな節目を突破した。だが、その後は急激に4円ほども円高に振れ、専門家からは、政府と日本銀行による円買いドル売りの為替介入があった可能性を指摘する声もあがる。市場では、緊張感が高まっている。
29日午前10時半過ぎ、穏やかだった外国為替市場が急変した。それまで158円台半ばで推移していた対ドル円相場が、一気に160円台前半まで円安に振れた。この日の東京市場は、大型連休の祝日で休場。海外市場では通常通り取引されるものの、ドルと円を交換する取引量は少ない。その分、一つの取引が全体の値動きに与える影響が高まりやすい。投機筋に円売りを仕掛けられやすい環境にあった。
野村総合研究所の木内登英氏は「特段、市場を動かす経済指標が公表されたわけではない。不自然な値動きで、投機筋が仕掛けた可能性はある」と指摘した。
だが、これでは終わらなかった。午後1時ごろ、159円台半ばだった円相場は、今度はするすると円高ドル安に振れていった。それから1時間ほどの間に、155円台前半まで円高ドル安が進んだ。
円安を勢いづけた日銀の「現状維持」
この動きは何だったのか。木…