前橋市と群馬県高崎市の埋蔵文化財発掘調査の成果を紹介する連携企画展「東国千年の都」が高崎シティギャラリーで開かれている。テーマは「逸品 よく見りゃスゴい!」。両市の収蔵品から、ふだん展示されていない出土品を中心に紹介する。19日まで。
展示されているのは、旧石器時代から室町時代まで、化石や壺(つぼ)、鏡、耳飾りなど多様な出土品約160点。ほぼ原形をとどめた凸帯付四耳壺(とったいつきしじこ)(高崎市箕郷町出土と推定)は、全体像が明確に分かる群馬県内唯一の資料だ。高さ約39センチ、口径約24センチの大型須恵器で、9世紀後半~10世紀ごろのものとみられる。
菅谷遺跡群(高崎市)で見つかった墓の穴から木棺とともに出土した灰釉(かいゆう)陶器と鉄の鏃(やじり)は9世紀後半と見られ、初公開だ。上野国府の推定地に近いことから、被葬者は武人で地域の有力者だったとみられている。
珍しい展示資料には、御布呂遺跡(高崎市)から見つかった鳥の足指がある。約40年前の発掘調査で地表から約2メートル下の水田跡から鳥の肉塊が発見された。肉塊からは爪のついた鳥の足指5本が採取された。ニワトリのものと推定されるという。
萩原団地遺跡(高崎市)から出土した昆虫の化石群も展示されている。約6割がゲンゴロウやガムシなどの水生昆虫で、近現代の水田や水路に生息するものと一致するという。
前橋市では25日から2月9日まで、前橋市総社歴史資料館で開かれる。無料。問い合わせは高崎市文化財保護課(027・321・1292)。