大戦中だった1945年3月。青森県赤石村(現鰺ケ沢町)で、山あいの集落が消滅するほど大きな雪害が起こった。雪崩で川の流れがせき止められできていた自然の「ダム」が、集中豪雨で決壊。大量の土砂混じりの雪水が下流の2集落を直撃し、88人が死亡した。80年前と同様に異例の大雪だった青森。当時の教訓に学ぼうと、地元小学生らがこのほど、現地を訪れた。

地元で伝わる「雪泥流」

 この災害は地元で「雪泥流(せつでいりゅう)」と呼ばれる。青森地方気象台は「融雪による土砂災害」、青森県は雪崩災害の一つと捉えており、雪崩や土石流に似るが、新潟大学災害・復興科学研究所の河島克久教授(自然災害科学)は「河川の上流域で、雪水が土砂を含みながら流出するのが特徴」とする。90年に岩手県松尾村(現八幡平市)で2人死亡、94年に札幌市で1人死亡などの事例があるという。

 鰺ケ沢町教育委員会によると、雪泥流は3月22日午後11時ごろ発生した。この冬は2月21日に青森市で観測史上1位の積雪209センチを記録する大雪。集落近くを流れる赤石川の上流が雪崩でせき止められ、ダムのように大量の雪水がたまっていたらしい。

 3月21日の昼ごろからの集…

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