写真・図版
ネパールの6千メートル峰チュルーイースト山頂から遠望するアンナプルナ1峰北面=2000年5月4日、近藤和美さん撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 ベテラン登山家の近藤和美(かずよし)さん(83)=東京都杉並区=が、ヒマラヤ山脈にあるネパール・アンナプルナ1峰(標高8091メートル)に挑む。80歳を超す高齢で困難が伴う中、世界に14座ある8千メートル峰の自身10座目の頂をめざしている。

 アンナプルナは世界最高峰のエベレスト(8848メートル)と比べると標高は高くないが、ベースキャンプ(BC)が低い位置にあり、山頂まで長いルートを登攀(とうはん)する必要がある。そそり立った氷河の崩壊や雪崩の危険が常につきまとい、死亡事故も多い。「キラーマウンテン」とも呼ばれ、挑戦者の少ない難しい山として知られる。初登頂は1950年で、8千メートル峰としては史上初だった。

 近藤さんにとっては2013年の冬、23年の春に次いで3度目の挑戦となる。1度目はシェルパの転落負傷事故があって撤退した。2度目も降雪が続き、途中で断念した。

高度順化後にアタック

 3度目となる今回は旧知のシェルパ3人とともに登る。標高5千~6千メートルの地点で高所に体を慣らす山行を繰り返した後、標高4200メートル地点のBCに3月下旬に入る。

 BC入り後はせり立った氷河を迂回(うかい)しながら北面のルートを登る。前進キャンプを四つ設けて、4月20日までの間に天候を見ながら山頂にアタックする計画だ。

 近藤さんは「後になって、やっぱりあのとき行っておけばよかったと思いたくない。挑まず悔いるより、挑んで悔いなしという精神でがんばりたい」と語り、今月3日に日本を発った。

登山歴66年 無酸素登頂の日本人最高齢記録も

 近藤さんの登山歴は66年に…

共有