ロンドンの大英博物館で2024年5月10日、「マグナ・カルタ」を覆うガラスを割ろうとする男女。環境活動家団体「ストップ・ザ・オイル」がX(旧ツイッター)に動画を投稿した

 英国に本拠を置く環境活動家団体「ジャスト・ストップ・オイル」は10日、ロンドンの大英博物館で、男女が「マグナ・カルタ(大憲章)」を覆うガラスを割ろうとする様子が映る動画をSNSに投稿した。

  • 環境活動家はなぜ名画を狙うのか?

 団体によると、実行したのは、同団体に所属する82歳の男性と85歳の女性。動画ではトンカチなどを使ってガラスを割ろうと試みる様子が映っているが、実際に割れたかは定かではない。

 イングランド王の権限を制限する「マグナ・カルタ」は1215年に制定され、立憲主義や人権の概念の土台となった。動画の中で男女は「この有名な文書は法の支配を重要視し、権力の乱用にあらがおうと立ち向かったものだ。現在の政府は、自分たちの法律を破っている」と訴えている。

 団体は2030年までに石炭火力発電を廃止するよう求めている。これまでもロンドンのナショナル・ギャラリーに飾られていたゴッホの「ひまわり」にトマトスープをかけるなどの過激な抗議行動をくり返してきた。(藤原学思)

共有