詐欺などの容疑で逮捕された巡査長が勤務していた吉倉町駐在所=神奈川県横須賀市吉倉町、村上潤治撮影

 神奈川県警は4日、職務で知り合った70代男性のうその委任状をつくり、郵便局から現金700万円をだましとったとして、横須賀署の駐在所に勤務する巡査長の沢田義弘容疑者(36)を有印私文書偽造・同行使と詐欺容疑で逮捕し、発表した。

 監察官室によると、「私がやったことで間違いない」と容疑を認め、詐取した金は「借金の返済にあてるなどした」と話しているという。

 捜査関係者によると、沢田容疑者が勤務していたのは吉倉町駐在所(横須賀市吉倉町)で、男性とは職務で複数回接し、顔見知りだったという。

 逮捕容疑は5月24日午後、同市の郵便局の窓口を訪れ、男性の通帳と印鑑、偽造した委任状などを提出し、局員から700万円をだましとったというもの。沢田容疑者は勤務中で、制服姿で警察手帳を提示し、局員を信用させたという。

 男性の親族が貯金通帳から多額の引き出しがあるのを確認し、10月に署に相談して発覚した。沢田容疑者は通帳や印鑑は「男性から預かった」と説明。男性は「覚えていない」と話しているという。

 沢田容疑者は2012年採用。地域課で交番勤務などしてきた。この駐在所には昨年2月から勤務していたという。

 神奈川県警の警察官の逮捕は今年6人目。19~21年は3人、22年は1人、昨年は5人だった。

 加藤秋人・監察官室長は「被害者をはじめ、県民の皆様に深くおわび申し上げる。警察官として言語道断の行為で、今後の捜査結果を踏まえ、厳正に対処する」とコメントした。(村上潤治、手代木慶)

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