岩手県を代表する伝統工芸品のひとつに南部鉄器があります。古くから砂鉄や漆、木炭などの原料が豊富な地で、南部藩の保護を受けながら発展してきました。約400年もの歴史を受け継ぎながら、若手の職人育成に力を入れるのが、南部鉄瓶ブランド「kanakeno」(盛岡市)です。
盛岡駅の南側。岩手県立美術館などの文化施設が集まる盛岡市中央公園の一角に、ショップを併設した工房「SUNABA」がある。ここで、20代の3人の職人が日々腕を磨いている。
そのうちの一人、宮田康矢さん(27)が南部鉄器づくりを志すきっかけとなったのは、田山鐵瓶工房の伝統工芸士、田山和康さん(74)の仕事ぶりを見学したことだった。
宮田さんは東京の大学を卒業…