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琵琶湖を背にたたずむ宮島未奈さん=2024年10月15日、滋賀県大津市
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 デビュー作の青春もので今年の本屋大賞受賞というスタートをきった宮島未奈さん。新刊小説「婚活マエストロ」(文芸春秋)は大人の青春を描いて、読み心地さわやかだ。

 静岡県浜松市に暮らす40歳の猪名川健人は、ウェブライターとして細々と生計をたてている。零細婚活会社の紹介記事を頼まれ、パーティーに赴くと、司会者は婚活マエストロと呼ばれる名物女性。不思議な力をもっていた。

 婚活パーティー参加者がだれもかれもユニーク。テンポよいタッチに笑えて、ほろっとして、宮島さんの術中にはまってしまう。「私の小説は、子どもにも、だれにでも楽しんで読んでほしいんです」

 そんな出会いを求める人たちの話に、人生の機微が織り込まれる。出会いによって自分の世界が広がったという、宮島さんの実感がにじんでいるそうだ。「作家になって、編集者と東京で食事するようになって。これも一つの出会いで、それまでなかった経験ですから」

 全国にあるチェーンのレストランが大切な舞台となったり、琵琶湖のミシガンクルーズが登場したり。地方都市の雰囲気を出す演出も心憎い。「どこの地方でも広く共感をもって読んでもらえたらと思います」

 婚活マエストロの鏡原奈緒子は猪名川と同い年。不思議な能力があるとはいえ、衰えを感じて悩む。

 「まだまだ若いけれど、無理…

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