写真・図版
経済産業省の有識者会議では、2040年度時点の電源別の発電コストの試算が示された=2024年12月16日午後2時1分、東京都千代田区

 経済産業省は16日、2040年度時点の電源別の発電コストを試算した。事業用の太陽光発電が最も安く、原発はそれに次ぐ水準とした。30年度時点ではLNG(液化天然ガス)火力発電が原発と同程度としてきたが、二酸化炭素(CO2)対策費などがかさむため上回る。

 40年度に発電所を建設した場合、1キロワット時の電気をつくるための費用を算出した。安い順に、事業用太陽光(7.0~8.9円)▽原発(12.5円以上)▽陸上風力(13.5~15.3円)▽着床式の洋上風力(14.4~15.1円)▽LNG火力(16.0~21.0円)▽アンモニア混焼の石炭(20.9~32.0円)などとした。参考値として、軽くて曲げられる次世代のペロブスカイト太陽電池は16.5円、浮体式洋上風力は22.5円と算出した。

 いま発電量が最も多いLNG火力は、為替と燃料価格の高騰が響き、23年度の試算でも19.1円だった。LNGは今後も価格上昇が見込まれるほか、26年度から始まるCO2の排出量取引や、CO2削減のための水素混焼への対応費などがかさむとみる。原発は東京電力福島第一原発事故後の対策費が膨らむものの、LNG火力よりは安い電源と位置づけた。

 今回の試算では、新たな電源…

共有