岐阜県池田町長のセクハラ問題で、調査報告書について説明する第三者委員会のメンバーら=岐阜県池田町
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 岐阜県池田町の岡崎和夫町長(76)=6期目=が女性職員の体に触れるなどのセクハラ行為をしていたとされる問題で、町が設置した第三者委員会は24日、調査報告書を町側に提出した。

 第三者委は15人に対してのセクハラを認定。町の懲戒処分の指針では免職が相当として、町長は「辞職相当」とした。

 町長は24日夕、朝日新聞の取材に対し、辞職する考えを示した。「辞職相当とされたことを真摯に受け止める」と説明。第三者委の聞き取りに対しては「否定も肯定もしていない。十数年前の話ではっきり思い出すことができない。ただ、職員は家族であると思ってきた。相手がそう思ったのなら、誠に申し訳ない」と話した。25日に辞表を出し、記者会見する予定。

 第三者委は、2013年4月から23年10月に町に勤務した全職員を対象にアンケートを実施。475人(回答率56・3%)から回答を得たという。そのほか、職員らへのヒアリングを実施した。

 第三者委が「特に深刻な被害」と指摘したのは、14年夏ごろの案件だった。町長は4日連続して女性職員を町長室に呼び出し、手を握る行為に始まり、衣服の上から上半身などを触り、さらに下半身を触るまでエスカレートしたという。この職員と町長は23年5月に示談しているという。第三者委は「町長のセクシュアルハラスメントがエスカレートする典型例」とした。

 このほか、4人に対し、キスしようとしたり、おしりを触ったり、抱きついたりしたといった深刻な被害を認定。ほかにも、9人に対して腕をまわして肩をつかんだり、頭をなでたり、二の腕を触ったり、体形を話題にしたりしたという。

 町長は、町の総務課長や助役を経て03年に初当選した。問題が起きた背景について第三者委は、人事権を掌握しており、町長の意向に逆らうことが極めて困難な状況だったと推測されると指摘した。(木村俊介)

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